クスコの由来【ペルー神話】

わたしのバイブル。次世代の国際協力のカタチ:Give Work by Leila Janah

give work

japotina
オラ!ペルー在住のjapotina(@UnaJapotina)です。

先日、アマゾンギフトカードを初めてプレゼントされた話を書きましたが・・

ありがたく、ちょうだいしたポイントで、迷うことなく即決で買ったという洋書。

 

期待以上のおもしろさに4日で読破しちゃいました!!

 

ということで、紹介させてください😆

 

GIVE WORK
Reversing Poverty One Job at a Time

by Leila Janah

実はつい1ヶ月前(2017/9/26)に発売になったばかりの新書です✨

発売前から欲しくて予約しようか悩んでたくらいなのですが、Kindle版の1,500円がペルーで暮らしてると高く感じちゃうんですよねー・・

 

ってことで、発売されて、気持ちがのったら買おうかと待ってたんです、

その時を!!

 

そして「その時」が見事にやってきたので、買った!!というわけです。

>>関連記事:春うららかな朝に、それは風のようにやってきた。

 

で、どうしてこの本が発売前から欲しかったのか、というと・・

 

ずばり!

筆者のLeila Janahさんのファンだから

Leila Janah

左側の女性ですね
インド系アメリカ人です

(ご本人のBio提供写真より) 

そもそもどうしてjapotinaが彼女のことを知っているかというと・・

 

japotinaがアメリカの大学院留学中に、キャンパスに講演にいらっしゃったから!

その会場にjapotinaもいました。

 

ほぼ同世代(たぶんjapotinaの7〜8つくらい年上)だというのに、世界的に表彰されまくってるすごい才女なんです。

ハーバード大卒 コンサル 非営利組織設立 社会的起業

という。

しかもまだ「社会的企業 / Social Entrepreneurship」という単語がまだなかった時代。

社会的企業とは?
事業を通じて社会問題の改善を図ることを目的とする企業。採算性も考慮しながら組織的に社会的事業を展開することで、貢献範囲を広げることが可能となる。

(コトバンクより)

 

彼女は、non-profit(非営利)として2008年に、Samasourceという組織を立ち上げます。

Samasource
アメリカ発祥の非営利団体。 先進国諸国の企業の必要作業で、コンピューターができない画像認識など膨大な手作業(microwork/マイクロワーク)に対して、アフリカやインドの貧困地域の方を仲介し、直接雇用するシステムを創出。企業は従来より安い値段で依頼でき、引き受け手の従業員は自国の標準より高価な対価を得られるwin-winな事業体系。

現在では、Google, Microsoftなど超大手企業をクライアントに抱える。

 

ましてや、設立当時はインパクト投資(Impact Investment)という単語もまだ存在しなかったため、素晴らしいアイディアにも関わらず投資を集めるのに苦労します。

インパクト投資とは?
慈善活動と利益獲得の二つを目標とする投資手法。

社会貢献投資、インパクト・インベスティング、インパクト・インベストメントともいう。経済的利益を追求すると同時に、貧困や飢餓、乳幼児死亡、男女差別、環境破壊といったおもに開発途上国の社会的問題の解決を目ざすところに特徴がある。従来の途上国支援は寄付や政府開発援助(ODA)が主流で、いずれも単発(短期間)で終わる場合が多く、長く援助を続けることが課題となっている。インパクト投資は社会的な問題を解決するだけでなく、株式や債券投資を通じて投資家へ利益をもたらすため、持続的な支援が可能な仕組みとされる。国際援助を評価する代表的指標に国連などが使っている「インパクト(社会的影響)評価」があり、これにちなんでインパクト投資とよばれる。

(コトバンクより)

営利企業を立ち上げた他の若者たちと肩を並べて、自らのアイディアをシリコンバレーの投資家たちにプレゼンしまくり、少しずつながらも着実に資金を集めていきます。

 

当時のエピソードもこの本には書かれているのですが、なかなかに壮絶です。

情熱と熱意で乗り切っていきます。

 

彼女の有名なTEDトークをみていただけるとわかると思います、彼女の存在感。

(字幕設定で日本語を選択できますよ!)

 

で、もちろん彼女のプレゼンを生で聞いたjapotinaも、もはやinspireされまくります。

これまでもものづくり等で途上国で仕事を創出した方々はいますが、彼女の立ち上げたSamasourceは、インパクトの範囲や規模が桁違いです。しかも途上国の中でも特に教育を受ける機会のなかった下位層の方々に直接仕事を与えられる。

 

これってすごいことなんです。

先進国からの援助や取り組めで恩恵を受けられるのは、これまでは決まって、途上国の中流階層以上でした。

 

彼女はその構造を、ひっくり返して見せたんです。

 

いてもたってもいられなくなってしまい、講演後に、勇気をもって声をかけたくらい😳
(今、自分を褒めてあげたいw)

 

もうね、まさしくあれですよ。頭に雷が落ちた状態。

 

しかもすごく親しみやすく、彼女の実体験を感情込めて話してくれるので、どんどん引き込まれちゃうのです。

sponsored link


ずっとずっと国際協力や、途上国の開発に強い関心があり、そのためにもわざわざ猛勉強の末にアメリカの大学院へ進学したjapotina。

教育政策を専門とし、教育の制度を通して社会を変えていけたら・・と思い、一心不乱に勉強していたのですが、彼女の本にも書かれている、このことに衝撃が走ります。

以下、訳はすべてjapotinaによる

The charity industry has become too wrapped up in making donors feel good about giving—to keep donations coming in—rather than concentrating on treating marginalized people as equals who want the same prosperity and security that we have.
Whenever I have asked foreign aid recipients whether they would prefer aid or work, they almost always choose work.

チャリティー産業は、さらに多くの寄付金が集まるように「寄付者」が心地よい気持ちになることに躍起になりすぎている。彼らは、社会から取り残されている人々が我々と同じように成功と安全を求めていることを忘れている。
外国からの援助の受益者に、私が「援助と仕事どちらがいい?」と聞くと、誰もが「仕事」を選ぶ。

つまり、これまで言われている国際協力の主流は、「寄付金を集め、無償で恵まれない環境にいる方々を支援する」というカタチだったが、それこそが偽善的な「寄付者目線」の自己満足でしかない、と。

実際に、苦しい生活を余儀なくされている人々だって、私たちと同様に、仕事をし、自己に自信を持ち、必要なものを「もらう」のではなく、自ら意思をもって「買いたい」のだ、と・・。

 

そして、彼女は、貧困にいる方こそ働き者で、彼女自身がガーナで出会った人々がいかに早朝から夜遅くまで身体を酷使しながら毎日働いているかを例に出します。

I had subconsciously bought into the myth that poor people are poor because they didn’t want to better themselves, because they squandered opportunities and wasted their talents. It had never occurred to me before that there were places where there simply were no opportunities.

私は無意識のうちによくある神話を受け入れていた:貧困の人々は、よりよい明日を求めずに、チャンスを見過ごし自身の才能を無駄にした人々だ、と。私は知らなかったのだ、そもそも「チャンス」というものが全く存在しない場所があるなんてー

 

貧困から抜け出せない人というのは、怠け者なわけでも、教育を軽視してきた人たちなわけでもない。

 

これ、なんとなーく「ふーん」と思うかもしれませんが、japotina自身もペルーで暮らし、まざまざと痛感します。

japotinaの彼の両親は、決して貧困ではないので状況は少し異なりますが、それでも、ものすごく働き者の二人です。それぞれフルタイムの仕事を長年していても、そもそもできる仕事が限られており、また、ペルー通貨が世界的に弱く物価が安いため、どれだけ働いても、外国へ旅行へ行くなんて夢のまた夢。

>>関連記事:japotinaがブログを書く3つのワケ

学生が週3のバイトで稼いだお金で、気軽に東南アジアへ旅行へ行けちゃう平均的な日本人とは、別世界です。

 

ペルーの中流家庭の彼の家族がそうなのであれば、ペルーの貧困層(国民の1/3)はもちろんのこと、著者の団体が注力するケニアやウガンダ、そしてインドももちろん。

 

これまでも国際協力では「魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教える」のがいいと言われてきてましたが、それだけではまだダメなんです。

 

もちろん魚の釣り方も大事ですが、それ以上に:

釣った魚をつかったお金の稼ぎ方

が必要なんです。

 

魚を釣ったことで、家族の今日の食事になるのはもちろんのこと、その魚で金銭を稼げるようになるのか?

地域の人々は、お金を払ってでも魚を買うのか?人々が行き交う場所に売るためのお店をだせるのか?売るならそのまま売る?それとも切った方がいい?料理した方がいい?冷凍する?冷凍するならそのための機材は??

などなど。

 

魚を売るためには「魚を釣る」以上にたくさんの知恵が必要になります。

 

もし「魚を釣る」ことが安定した収入に繋がるのであれば、本来、魚の釣り方だってわざわざ教えなくても現地の方々が自ら工夫するようになるでしょう。

 

他にもよく聞くのは、外国人チームが、飲用水がない地域に井戸の掘り方を教えてあげるエピソード。

そこの住人たちは、自ら井戸を掘れるようになった。そして、飲み水には困らないようになった!

 

でも、それだけではその方々は、まだ貧困からは抜け出せないんです。

 

もちろん身体に害のない飲み水というのは、命の次に大事なものです。素晴らしい活動です。

でも、そもそもその地域に、まともな給与を払う雇用があったら・・?

 

みんな積極的に働き、稼ぎ、自分たちで地域の飲用水の問題を解決していたかもしれません。

 

貧乏だって、貧困だって、自分たちの問題を自己解決できるんです。

それに必要な自信と、原資があれば。

 

日本人だって、周りが毎日仕事しているときに、自分だけ仕事がなく収入がなければ、劣等感に陥り自信がなくなり、無気力になりませんか?

「どうせ自分なんか・・」ってなっちゃいません?

(japotinaも経験あり)

Working, earning money, providing for yourself and your loved ones, and believing you can affect those who represent you in government make you feel like a true citizen.

Work, not aid, transforms how people think of themselves and their place in the world.

働き、お金を得て、愛する家族や自分を養い、社会のいち有権者としての自信を得られたとき、初めて自分が「市民」だと感じられる。
(中略)
援助ではなく「仕事」こそが、人々の自己認識を変え、居場所を与えるのだ。

 

ガツーンときますねぇ。

 

japotinaは教育政策をずっと勉強してきて、あらゆる国の教育に関する政策を分析してきました。

いろんな国で試された斬新な政策も知っています。

それらが実際にどうやって運営されているのか、もしくはどう影響与えているのか、文献や数値ではわからない情報を知りたくて、その国出身の友人・知人に直接たずねたこともあります。

そのことにも通じるのですが、この本の中で、筆者がルワンダで出会った女性の言葉が引用されています。

 “Only you foreigners care about these questions. We struggle to eat, to feed our children. My worry is to find a job so I can afford to buy necessities.”

『外国人のあなたたちだけよ、そういう大きな問題に関心があるのは。私たちは自分の日々の食事や子どもたちへ与える食事のことで精一杯。私の関心ごとは、必要なものを買うために「仕事」が見つかるかどうかだけよ。』

 

ふたたびガツーーーーン⚡️

 

もうね、本当は他にも紹介したい箇所や、japotinaが感じたこと、書きたいことはたんまりたんまりあるのですが、永遠と続くので、これくらいにしときます(これでもものすごく削った…orz)

 

ということで、初めての洋書紹介となりましたが!

もう満を持して・・!!

星10こ!ww

 

まぁ実際には、10はさすがに多すぎるので、いつもの星5つですね。

うーん、この本のおかげで星5つのハードルが一気に上がった気がする・・w

発売されたばかりの洋書なので、まだKindle版もしくは輸入本のみの取り扱いになります。

<参考>
★★★★★:超おすすめ!私ももう一度!
★★★★☆:読むべし!
★★★☆☆:時間あるならおすすめ
★★☆☆☆:モノ好きなら読めば?
★☆☆☆☆:読まないで!!

ちなみに、この本で紹介されていた別の本を、頂戴したポイントでまた購入しちゃいました🙈

すでに読み進めています・・!

さいごに…

japotinaは、すべてKindle版の本を購入しています。

 

だからこそペルーにいながら日本の本や洋書を読みまくれるのです。

 

Kindleのアプリを使ってiPhoneやタブレットで読書をするのですが、ハイライト(下線)もし放題だし、単語の意味も同アプリ内で調べ放題。素晴らしい時代・・。いちいち辞書を使っていた頃がウソのよう・・😑

Kindle電子書籍リーダー:人気小説や無料漫画、雑誌も多数

Kindle電子書籍リーダー:人気小説や無料漫画、雑誌も多数
開発元:AMZN Mobile LLC
無料
posted with アプリーチ

 

それにしても、この本のハイライト率が半端じゃなかったですww

 

しかも、著者がおすすめする本のリストも文末にあり、japotina大興奮!!

 

もともと引用されている文献は、読もうとメモしていたのですが、それ以外にも彼女がおすすめする本が「ソーシャル・アントレプレナーシップ」「リーダーシップ」などの分類ごとに、一言つきで紹介されいているのです!

 

もう、こんなにこんなに影響されまくった本は初めてかもしれませんw

これまでも様々な文献や良書を読んできたつもりだけど、「引用されている文献を全部読みたい!」とまで思ってしまうほどの本には出会ったことがありませんでした。

 

大げさかもしれないけど、いつかこの本を課題図書のひとつとして学生さんたちに授業をしたい。

本気でそう思いました。

 

その時までに、わたしもペルーでなにか「これ」という活動をし、そのエピソードも交えて若い世代とインタラクティブに交流したいものです。

 

また新しい目標というか夢ができました☺️

 

あつーーーく語っちゃいましたが!

 

ぜひぜひ社会的企業・地域貢献・国際協力・開発に興味・関心があるすべての方に、読んでいただきたい。

次世代の国際協力のカタチです。

発売されたばかりの洋書なので、まだKindle版もしくは輸入本のみの取り扱いになります。
  ¡chao!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です